「ケラケラ」はなかった

「ねぇ。翔ちゃんのお願い事って、何？」

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『ん・・・？あぁ・・・七夕の？』

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「そう。」

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『それはさー、もちろん・・・』

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そこまで言うと、ニヤリと笑って、私を見る。

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え・・・？何、何！？

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少しの沈黙の後。

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『ナイショに決まってんだろーが（笑）』

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「えー？そうなの！？」

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何だ・・・ちょっと期待しちゃったじゃないのよ！

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さっきのニヤリは何だったのよ？

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グルグルと頭の中で考えていたら、

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『そーゆー志帆の願い事は何なの？』

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って、聞いてきた。

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「それは・・・もちろん・・・」

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ためて、ためて・・・

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「ナイショですーだ（笑）！！」

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『だと思った（笑）』

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ケラケラと二人で笑い合う。

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幸せな時間。

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一瞬の静寂の後、

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『でもさ・・・俺が思うには・・・』

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とまじめな顔で切り出してきた。

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『俺らの願い事、たぶん一緒だと思うよ？』

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「え・・・？」

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目線がぶつかって、それがサッとそらされる。

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照れくさそうに笑って、

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『まぁ・・・自惚れじゃなければ・・・な』

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って。

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「・・・同じだと、いいなぁ」

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小さく、ボソッとつぶやいた。

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恥ずかしいから、下を向いて・・・。

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そしたら、

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『志帆？』

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ささやくような声で、優しく名前を呼ばれた。

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翔ちゃんの方を見ると、小さく手招きしてる。

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そっと近づくと、ふんわり抱きしめられた。

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お互いに、なーんにも言わない。

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ただただ、お互いのぬくもりと、鼓動を感じてた。

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どれくらいそうしていたかな・・・？

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ふっと、翔ちゃんの腕の力が抜けて、

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少し体を離したら・・・

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ふんわり、優しくて、あったかーいキスが降ってきた・・・。

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“ずっと、ずっと、大好きなあなたと一緒にいられますように”

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“忙しい毎日だけど、どうか、あなたに幸せな、笑顔溢れる時間がたくさんありますように”

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今日も、明日も、ずーっと大好きだよ・・・。

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あなたの幸せを、心から願ってる。

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こんなにも誰かのことを想えるなんて、幸せだよね？

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こんなにも大好きになれる人に出会わせてくれて、

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神様、ありがとうございます・・・。

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