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「明後日の日曜日、岡田さんに会ってきます。」
もうすぐ会社に着くってとこの交差点で、カズが少し硬い口調でボソッと言った。
「…え、社長に会いに行くの?」
「違いますよ、息子さんの方。なんか知んないけど連絡来たんで。」
「あ、ただの岡田の方か。」
「ただって、あの人一応部長さんなんすよ。貴方より上の方なんですからね。」
「俺からしたら只の同期だよ。」
おいらの物言いがツボにハマったらしく、ケラケラとカズは笑い始めた。
「何時から?」
「…は?」
「おいらも行くよ。」
「いや、大丈夫です。」
カズが、アナタならそう言うと思ったんですよね、と静かにため息を吐いた。
その仕草に思わずイラっとしてしまって、思わずムキになってしまう。
「絶対行くかんなっ。」
「お断りします。」
「じゃあ。今日お前ん家に一緒に帰って、日曜までずっとくっついてる。」
「あ、ワタシ今日家に帰らないんで。」
「は!?」
自分が思ってるよりも大きい声が出ちゃってた
カズはいよいよ盛大にため息をついて、だか
あんたは、と若干呆れた、でも何処か嬉しそうな口調で言った。
「…岡田さんに会う前に、実家行ってこようと思いまして。」
「え?」
「ってことで、ワタシ今日会社からそのまま実家に帰りますんで。」
「ちょっ、大野さんっ。」
通り過ぎていく人の視線なんて目に入れずに、でも抱き締めるのは我慢して、こっちへ引き寄せた。
「俺も実家行く。」
「…俺、親にまだあんたのこと話してないんすけど。」
「一緒に行けば手っ取り早いだろ。」
「え!?」
「そうじゃない?」
そう言うと、カズは目を一回瞬きさせて、おいらをじっと見つめてきた。
あ、茶化しちゃいけない雰囲気だなって分かった。
「……あんた、親に会うって意味分かってます?」
「分かってるよ。」
カズの飴色みたいな瞳から目を逸らさずに、はっきりと言い切った。
カズも、暫く俺から目線をずらさなかった。
静かにそう言って柔らかく笑ってくれた。
「……今日、何時くらいに終わりそうっすか?」
「えっ!行っていいの?」
「連れてけって言ったのはそっちでしょーが。」
カズは諦めたように、でもちょっと照れくさそうに、待ってますからね、ってはにかんでくれた。