世界最低のラスボス

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ラスボス父の苦労は見えにくい。

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

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Amazo

【　出演　】山崎賢人神木隆之介小松菜奈岡田将生新田真剣佑観月ありさ國村隼山田孝之伊勢谷友介&bsp;全てのスタッフ・

【あらすじ】

　2年連続住みたい町の第一位に選ばれた美しい海沿いの町・杜王町。平和に見えるこの町で、最近変死事件が続発していた。

　杜王町に転校してきた高校生の広瀬康一は、不良に絡まれていたところを同級生の東方仗助に助けられる。彼は“スタンド”と呼ばれる特殊能力の持ち主で、彼のスタンドは、触れるだけで他人のケガや壊れたものを直すことができる“クレイジー・ダイヤモンド”を持つ者だった。

　ある日、仗助と康一は連続変死事件の犯人でありスタンド使いのアンジェロに狙われる羽目になってしまい、祖父の命が奪われてしまう。復讐を誓った仗助だったが、その背後には同じ高校生の虹村兄弟が糸を引いていた―

【コメント】

　さて、今年一番の注目作か、はたまた今年一番の地雷作品なのか、いよいよあのジャンプ漫画の真打ち「ジョジョの奇妙な冒険」が実写映画化！ということで、これはもう地雷だろうが何だろうが観に行かないわけにはいかないだろうというわけで、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

　とはいえ、僕にとってのジョジョって第三部までなんだよね～。本作の第四部はリアルではもう読んでおらず、つい最近アニメで観ている状況です。

予想ほど悪くはないが、相変わらずの脚本練り不足

　うむ、個人的には予想ほどのトンデモな感じはなく、原作を大きく損なうことなくほぼ忠実に描いておりますな。映像の雰囲気もいかにもな三池色で彩られているし、それぞれのキャラもたっている。しかしながら昨今の三池映画同様、相変わらず脚本に難ありで、空条承太郎が街に来た理由や仗助のスタンド、虹村兄弟が持つ弓矢の件など、いろいろと説明不足。それこそ第一部から原作読んでなきゃ？？？な部分が多い。まあそこはむしろファン向けに作ったものと考えたほうがいいかも。

　原作の雰囲気を損なわないようにするため、本作はスペインはシッチェスで撮影したとのこと。これは大正解で、杜王町という架空の独特な街を見事に再現してると思いますね。洋風の建物が立ち並んではいるものの、さほどの違和感はない。グッジョブといったところ。売りであるスタンドのCGもよくできているし、特に虹村兄の放つバッドカンパニーは見どころのひとつ。いやむしろ、もっと仗助のクレージーダイヤモンドを出すべきだとは思ったけど。

　昨今の三池監督作品に多い良い面と悪い面、双方が混在した通常どおりといえば通常どおりの出来といったところですね。

やはり伊勢谷友介の空条承太郎はキビしかった・・・

　キャラ再現度という点で観れば、僕的には東方仗助＝山﨑賢人のキャスティングは悪くなかったと思います。当初確かジャニ系で調整してたという噂を耳にしていたんですが、ジャニで仗助できる人なんていなかったでしょう。

　広瀬康一＝神木隆之介も、随分と大きくなったな～と感じつつも、原作のちょっと臆病で愛嬌あるところはあってるんじゃないでしょうか。そしてなんといっても虹村兄弟ですね～兄ってこんなにイケメンだったっけ？という感じはあったものの岡田将生はハマってたと思うし、億泰の新田真剣祐のキャラも嫌いじゃない。山岸由花子＝小松菜奈は今回スタンドは見せなかったけど、今後に出てくるのかね～

　苦言を呈するとすれば、アンジェロ＝山田孝之はちょっとなり切り過ぎのオーバー感がありましたかね。そして、それを上回ったのが空条承太郎＝伊勢谷友介。これはもうね、公開前のときからかなり違和感を感じてましたね。オッサンですやん。オッサンであの服装はかなりキツイ！恥ずかしいなんてもんじゃないですよあれは。髪の毛もなぜか帽子の上に生えてるし。もっと他に若いのいなかったの？

　昨今の漫画の実写化の再現度は悪くないものの、やっぱりどうしても無理があるキャスティングは出てきますな。

絶対やれよ第二章

そんなわけで、個人的にはまあ悪くなかったかな～程度のものでしたが、タイトルに第一章と銘打っている以上、第二章はやるんでしょうね～というのは問いただしたいところ。これはもう、興行成績とか出来不出来の類ではなく、昨今の三池監督は続編を匂わせて投げっぱなしの映画が多すぎる！『テラフォーマーズ』しかり『神さまの言うとおり』しかり。ちったあひとつの作品に責任感を持ったらどうですか？と小一時間。

　本作でもラスボスである吉良吉影の存在も見え隠れしているし、完全に続き作ります！と宣言しているようなもの。少なくとも僕は続きを楽しみにしていますんで、責任感という意味でもしっかりとジョジョ第四部の再現を達成していただきたいと切に願います。

【2017年度 Myランキング】（8/5時点）

　本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

　暑くて汗が滝の如し。

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：

　　２位：

　　３位：

　　４位：

　　５位：

　　６位：

　　７位：

　　８位：

　　９位：

　１０位：

　　次点：

　（ワースト）…　★★☆以下が基準

　　１位：

　　２位：

　　３位：

＜その他ランク外一覧＞

ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない第一章

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ラスボスでオールシーズン

(一部、過去の投稿と被る箇所があります)

義父が口火を切りました。

「お義父さんたち、銀行を回り歩いたんだが、どこもきちんとしたことは教えてくれないんだよ。

第一法定相続人の奥様でないと話せません、と言って」

そりゃそうでしょうね。

わかってたけど、義父が借金返すと言ったので放置したまでです。

それまでに、できる限りの準備はしました。

「そこでなんだが」

と、義父が書類の束をちゃぶ台の上に置きました。

「この借金は

鯛子、お前が

返しなさい」

えーとえと。

お前は一体

何を言っているんだ？

さすがラスボスだよ、攻撃力ハンパない。

「お義父さん、返すって言ってたじゃないですか？」

と言葉を返すと

「いやあ、この書類を整理して、あの弁護士さんに見てもらったんだけど、この金額を見て相続放棄を勧められたんだよ。

マンションは放棄したくないんだが」

ツッコミどころが、過去最高に多い。

まず

「その書類を整理したのは私ですけど。

お通夜の前にお義父さんに言われて、目の前で整理したじゃないですか」

「そうか？覚えていないよ。気が動転していたから」

出ました！

必殺、覚えてない

「弁護士さんも、調停の費用はなかったことにしてくれると言っているんだよ。

だから、鯛子に一度相談に来るよう勧めておいてほしいと言われたんだ。

親切な弁護士さんだよな」

そこもツッコミどころなんだけど。

あの弁護士、商売の臭いがぷんぷんしますけど。

相続の世話をして、相談料に調停の料金乗せる気満々だと思いますよ。

そして、ここが一番のツッコミどころ。

そんなに親切なのに、マンションはあんたたちのものじゃないって教えてくれなかったの？

まさか、弁護士と結託してなけなしの財産乗っ取る気ですか？

「お話はそれだけですか？」

と聞いてみると、義両親がうなづきました。

なるほど。

反撃に出る時が来たようですね。

すうっと息を吸って、私は声を出しました。

「お義父さん、相続の放棄をされるつもりなんですか？」

義両親がうなづきました。

「残念ですが、それは無理だと思いますよ」

義家族の顔色が変わりました。

怒っているようで、赤みが差しています。

「鯛子たちが相続の放棄をしたら、その連絡をもらってお義父さんたちもすぐ放棄の手続きをするよ。

弁護士さんがそれがいいと言っていたよ。

義弟もそのために印鑑登録をしてきたんだから」

あまちゃん。どこまでも考えが甘い。

てか、義弟が初めて印鑑登録したってことは、この家は親子ローンじゃないんだ。

さすが、30すぎて親の車を乗り回す男は違うわ。

というより、私のことなめ過ぎ。

「お義父さん。テレビやCDを売りましたよね？」

「売ったよ。大したお金にはならなかったが。この前明細を送っただろう」

私の思い出の品を、金にならないとか言ってんじゃねーよ。

「そのこと、弁護士さんに話しましたか？」

いいや、と義父が首を横に振りました。

「先に言っておくと、私と子は明日にでも相続放棄の手続きを取ることができます。

なぜなら、遺品に手をつけていないから。

でもあなたたちはできません」

義両親と義弟の顔がますます赤くなりました。

「あなたたち、夫の遺品を売って、益を得ているんですよね。

その時点で、相続を承認していますから。

よって、

相続の放棄は

できません」

義家族はぽかんとしています。

「ついでに言えば、私の品物を売ったことは、横領、簡単に言えば泥棒です。

先日、明細のコピーをいただいているので、いつでも訴える準備はできていますから」

本当はここまで追い込むつもりはなかったのですが、「大したお金にならなかった」の一言が、私に火を付けました。

「売ったことを内緒にして、相続の放棄をしたら犯罪ですよ。

このことを踏まえて、もう一度弁護士さんに相談された方が良いと思います」

ここまで頑張ってきた。

あー

すっきりした！

25年以上の恨みを一気に晴らした気がしました。

ちゃぶ台に置かれた書類は手にせず、リビングとの間の襖を開けました。

襖の向こうには子と義叔母。

義父の世間体命スイッチが入りました。

「た、鯛子が田舎のお菓子を持って来てくれたから、みんなで食べよう」

襖越しに義叔母にも話は聞こえていたようです。

明らかに慌てた様子でした。

出された出涸らしのお茶を飲んでいると、義父が話しかけてきました。

「百箇日が、○月○日とさっき玄関先で副住職と決めておいたよ。

まあ、お前たちは忙しいと思うから、無理に来なくていいから」

とりあえず、うなづいて帰りました。

ちなみにのど仏を法要のために連れてきていましたが、義父が

「骨を分けておくのは忍びないから、こちらで預かるよ」

と言ったので、そのまま置いて帰りました。

だったら最初から引き取れよ。

夕飯に誘われることもなく、帰途につきました。

帰りの車の中で子が言いました。

「さっきの百箇日の話、

来るなって言われた

気がするんだけど？」

やはり、私だけの思い込みではなかったか。

冷静に子が聞いて、来るなと受け止めたんだから、やはり拒絶されたのでしょう。

まあ、心の中で供養すればいいよ、と言って家に着きました。

長い長い一日が終わりました。

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ラスボス 父の苦労は見えにくい。

ラスボスでオールシーズン

ラスボス父の苦労は見えにくい。