日本の10大マリカがついに決定
庭の茉莉花の花が咲いた。英語でいうと、ジャスミン。
原産地はインド方面らしいが、アジアの大陸部に広く分布している。
近寄るといい匂いがする。ベランダは小さいなりに花盛りで、百花というほどではないが、そのほかにも賑やかにいろいろな花が咲いている。
わたしの出版社=編集プロダクションの名前は茉莉花社というのだが、この花の名前が所以である。これは茉莉をマリ、またはマツリと読む。
この会社はわたしがまだマガジンハウスにいたときに副業をするために作った会社だった。1993年だったから、もう設立して25年がたつ。これの経緯というのは、じつはある出版社から「シオザワさん、本を書いてみませんか」という話があって、やってみようかと思ったところから始まる。
そのころは中国の古代社会に夢中になっていて、『論語』とか『老子』とか『春秋』とか『戦国策』というような、漢籍ばかり読んでいた。
そのときに本にしてみたいと考えたのが、揚子江流域原産の植物、稲や竹、梅、桜、その他のさまざまの植物が日本文化の基層を作った、という話で、『雲南花伝』という表題の原稿を書こうと思いたち、中国の最南部に当たる雲南を中心にした地域を何度か取材して歩いた。
そんなふうに、中国の揚子江流域の研究に夢中になっていて、現地を取材しているときに、近現代の詩人たちの作品に出て来る茉莉花の花がどういうものか見て知ったのである。そして茉莉花の花を茶葉に混ぜた〈茉莉花茶〉というものの存在を知った。これも香りを飲んでいるようで美味しかった。
わたしは詩が好きで、いろんな詩集を読んできているのだが、詩人たちが、この茉莉花を自分の作品のなかで詩にしている。
神原有明の「茉莉花」(まつりか)はこういう作品。
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隻脚の詩人、安西冬衛の「軍艦茉莉」(こちらはまりと読む)。
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有明の「茉莉花」は官能的で、安西の「軍艦茉莉」は幻想的。
二作とも好きな作品で、茉莉花社というのは、ここから社名にした。
人によって、マリハナとかマリカとか読む人もいる。また、吉本ばななに「マリカの永い夜」という作品があり、人名としてカタカナのマリカが登場するがこれももともとは漢字表記の[茉莉花]をマリカと呼んだのではないかと思う。
茉莉花社はこぎれいでオシャレな名前だと思うが、人によって読み方が違うのが欠点。わたし自身は[まつりかしゃ]と読んでいる。
わたしはマガジンハウスをやめてからもう16年になる。やめたあと、いろいろな形で仕事したが、仕事のベースはこの茉莉花社に置いてやってきた。もういままでに、かれこれ、40冊か50冊くらいメイド・イン・マツリカシャの本を作っていると思う。全容は昭和の大衆文化について書いたものが多いのだが、あちこち手を出しているので、もう正確には、把握できない。
中国の古代の文化と日本とのつながりを本にする、そのことを考えて作った会社だが、そういう関係の本はまだ、一冊も作れていない。この話は別途であらためてするが、いずれ、『雲南花伝』という本を書くつもりでいる。(終わり)
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マリカ 通りがかりの他人ほど、好奇心旺盛である。
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