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&bsp;日本における救急外来の「コンビニ化」、救急車の「タクシー化」は、現場としても大きな問題です。
疲弊が撤退を生み、更には残ったものが更なる疲弊を強いられます。
皆さんは救命救急センターの実際の現場を見た事があるでしょうか?
決して、イケメン・イケジョの医師たちがスマートに治療をあたっているわけではありませんし、ましてやテレビドラマのように、屋上で語るシーンなどありえません。
懸命に治療しても救えない命が多々あるのです。
次の写真は、ドイツの救急隊員がご自身のFacebookに載せた実際の現場です。
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私もかつては救命救急センターにいましたが、これはまぎれもない現実です。
食事中にホットラインが鳴って、このような現場となる多発外傷の患者さんが搬送されて、治療が終わったら、また残りの食事をするのが現実でした。
ところで次のネット記事の写真をご覧ください。
交通事故で亡くなられた患者さんに、異なった血液型の輸血をしたという記事です。
O型の患者さんにB型の輸血をしました。
これが医療ミスかというと・・・もちろん医療ミスです。
ただし!!
この記事の死因には「出血性ショック」で死亡と書かれています。
救急医である私も、この死因に賛成です。
通常の輸血、すなわち「赤血球製剤:RBC」は1packに何cc入っているかご存知でしょうか?
血液200mlを遠心分離にかけて血漿・白血球・血小板を取り除いた後、保存液などを加えて使用される結果、1pack=140ccなんです。
つまり上の記事の患者さんには、たった3時間で40packも使われたのです!!
推測ですが、それだけ使う必要があったという事は、腹部のいくつかの臓器が損傷していて、修復しきれない状態、出血多量の状態であったと予想されます。
つまり誤って投与された約800ccのB型輸血を、正しくO型輸血をしたとしても、おそらくこの患者さんは亡くなっていたと思います。
それこそ冒頭の写真のように、修羅場と化していたことが予想されます。医師・看護師・パラメディックなど、交感神経マックスの状態だったと思われます。もちろん血液型を間違えてはいけませんが。
なぜ、1枚目のようなどぎつい写真を提示したかと言いますと、それは冒頭に書いた救急外来・救急車の適正使用に問題がある事、そして実際の救急医療の現場を多くの方々に知ってほしいからです。
時々ニュースでも、救急外来の「コンビニ化」、救急車の「タクシー化」についての報道がありますが、一向に不適正使用は減りません。
下の図のように、救急車の搬送件数は増える一方です。ただし高齢化社会の影響も原因ではありますが。
次の円グラフは、救急車を使用した患者さんの症状別の割合です。
約半分が「軽症」、すなわち入院を必要としない患者さんなのです。
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また救急車1回の出動につき、平均45000円の国民の税金が使われています。
これは多くの人がご存じないと思います。
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多くの先進国で救急車は有料で、日本のように救急車が無料の国は非常に珍しいのです。
国によっては、救急車の搬送前に、救急車の使用料を払う事ができるかを確認されます!!
それって日本人の感覚からすると異常にも思えますが、他国の人からすると、救急車が無料の日本の現状が異常に思われるかもしれません。
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では具体的にどのような症状の時に、救急車を呼べばいいのでしょうか?
それは次の写真を、必ずじっくりとご覧ください。
?こちらは大人の場合です。
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?そしてこちらは子供の場合です。
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一方で、次のような場合は、救急車の正しい使い方ではありません。
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何事にも例外はありますが、原則というものを皆さんには知ってもらいたいと思います。
では、それでも判断に迷う場合にはどうしたらいいのでしょうか?
その場合は、「#7119」に電話してください。
ここに電話すれば、急いで受診するべきか?、翌日でいいのか?、救急車を呼ぶべきなのか?などを症状に応じて相談してくれます。
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この記事が、1人でも多くの人に伝わってほしいと願っています。
?おまけ(#^.^#)
(画像はネットより拝借)
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