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一昨日、退院日の夜から低血圧症状が出た夫。
昨日から突然、とにかく全身が痛いと、ベッドからの起き上がりなどに介助が必要なほど辛い状況になっていました。
喉も痛いと食事が取れなくて、なんとかお茶やドリンクを少し飲む程度。

1日様子を見ても治まらず何かおかしいと、夜間にがんセンターに連絡したり、でも片道一時間かけての受診なんて、私が見ても無理そうな状態で。
もうこのまま車で15分の地元の病院に転院でもいいかなとも考えていたので（栄養療法も受けてる、糖尿のフォローも受けてる、治療を続ける選択肢も呈示してくれている、緩和病棟もある）、朝になってからそちらにも連絡してみたり。

結局両方の病院に相談しつつ、朝イチで地元の病院に行きました。がんセンターの先生は急遽経緯をまとめてFAXしてくれたようです。
夫、ほとんど歩けず車椅子を借りてなんとか栄養療法Dr.の外来を受診すると。

血液検査の結果は、腎不全と脱水。
一昨日の退院時の血液検査では問題ないのに、2日でちょっとありえないくらい腎機能が落ちているとと、即入院になりました。

それから、輸液と痛み止めをしてもらうも症状は変わらず。どうにも身体中が痛いと訴える夫に、別の痛み止めにすると処方されたのはモルヒネ。
頭ではわかっていても、いざ処方されると全く心の準備ができていないことに自分自身愕然としてしまいました。
しかも、入院時の計画書には、痛みのコントロールとしか書かれていません。なにこれ。もうすでに緩和のみの対応？
モルヒネを入れながらも、痛みは変わらないと夫は辛そうなまま。

そして、結局ここまで、両方の病院のDr.が連携をとって進めてくれたのですが、原因は新薬の副作用ではないかという見解になり。

救急車でがんセンターに転院することになりました。

腎不全、モルヒネ、血圧はやはり低い（60台-30台）、自分で動けないほどしんどい、朝にスムージーを一杯飲んだきり何も食べられない、尿が朝一回出たきり全くでない。
そして救急車での搬送。
坂道、緩やかにどころではない。転がり落ちている。いつかは来るって覚悟していたつもりでも早すぎる。

道中夫の手を握りながらずっと考えてしまいました。
夫は痛みでうつらうつらしながら、手を離そうとするとすぐに目を開ける。手を戻すと、弱くだけど握り返してきて、いつもするみたいに指で軽くポンポンとしてくれる。「はいはい」とか「よしよし」みたいなニュアンスで。まるで私が不安そうだから手を握ってあげてる、みたいな。

この人は、こんなに辛そうで、痩せて、顔つきも険しくて、すっかり変わってしまったように見えるのに。少しも変わってない。
少しも変わっていないのに、どうしてこんなことになってるんだろう。
このまま救急車で運ばれて、家に帰れるんだろうか。そんなほぼ恐怖みたいな不安を夫自身は感じているのだろうか。

そんなことを考えながら、がんセンターに到着したのは日が暮れるころ。
治験の時に担当してくれたDr.がまた担当になると待っていてくれました。
色々事前に電話で手配してくれたのは、抗ガン剤治療の時に担当してくれた腫瘍内科のDr.で、その先生も顔をみせてくれて。

で、こちらの見解は。
新薬で腎機能低下はちょっと例がない、話を聞いていると熱中症ではないかと。
そう、入院中病室が寒いと言い続けた夫、帰宅してからずっと冷房かけずに暑い部屋で過ごしていたんです。
飲み物や塩分は摂るように促してたものの、やはり足りなかったよう。
そして、がん患者ゆえの暑さの感じにくさ、体力のなさから急激に悪化。

こんな展開だったようです。

そして、熱中症は一般の人でも、軽度から死亡までダメージにレベルがある。がん患者ゆえの体力のなさから、一般には完全に回復できる程度のダメージでも、同じように回復できるかは読めないと。このまま悪化して戻れない可能性もある。この土日あたりがヤマともいえると。

急に悪化する可能性もある中で、どこまで治療するかの意思を確認されました。というより、積極的にはしないよという方向で確認された感じです。
勿論、良くなる方に期待しているとも言われました。全く希望がないと思ってしまっていたので、少しでも回復する余地があるならと救われた感じです。

それにしても熱中症なんてこんな初歩的なミス。気をつけてきたはずなのに。
後悔してもしきれない。
どうか、回復させてください。まだまだこれからなんです。

そして同志の皆様、本当に本当に気をつけてください。膵癌カフェでも、皆様わりと厚着をされている印象でした。暑さを感じにくい身体らしいです、体感だけでなく、温度や湿度に充分に気をつけてください。

今日の希望
救急車からストレッチャーで下りてぐったりしている夫に、「まだまだやれることはありますよ」と治験担当のDr.が声をかけているのが聞こえました。本心に思えました。
きっと元気になれると思う。

救急車ひとすじ

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