救急車ホッとする安心

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救急車平和は与えられるものではない。

ずっと書き続けてきた『振り返って』ですが、

ここから母は家族の手を離れた『患者』です。

私達家族は、病院や看護師と闘う（否、仲良くしていく）ことになります。

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当時の事は、当時のブログを見ていただく方が早いと思いますが、当時書けなかった事も含め重複すると思いますが綴っていこうと思います。

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平成２７年６月２９日。

大学病院から、自宅から車で片道１時間の神経内科のある療養病床へ転院しました。

母は大学病院専用の救急車でＡＭ９：３０に運ばれ、医師が同乗して移動。

私達家族は自家用車で後からいきました。

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築４４年の年季のはいった病院。

部屋は４人部屋ですが、

大学病院と違うのはやはり設備の古さです。

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電子カルテではなく看護師は未だに手書きで日報を書いています。

ベッドを仕切るカーテンはしわしわ。

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ただ、この頃構音障害がひどく、ひとりでに「あー、いー、うー、んー。」と大声を出すようになった母には、他の部屋の患者さんも同じように大声を出しているのが廊下や部屋まで聞こえてきて、あまり気にしなくていい感じがしました。

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ですが、やはり人員も少なく雑。行き届いた医療が受けられる印象はありません。

夜勤も看護師２人体制で、病棟患者３２人を見る様子。当直医は日によって何科の専門医か分かりません。

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転院し、経管栄養のまま母は鼻から栄養を摂る形で延命治療（いざというとき気切して、人工呼吸器につなぐなど）はいっさいしないと告げました。

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大学病院と違い「はい。分かりました。」とあっさりした反応です。

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神経難病の療養病床のせいか、母の病気も特別視されるわけではなく、どうせ動けないし、話せないし、何もできないのだから、ただお世話すれば給料もらえるみたいな看護師の態度が目につきます。

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それでも他の病院よりは幾分マシなようでした。

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５日経ったある日。

母が「夜逃げしちゃう！」と言いました。

「どこかに行っちゃう！゛(｀ヘ´#)」と息巻いています。

もう１歩もあるけないのに…。（苦笑）

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私達家族は１時間かけて母のもとへやって来て、

当時は３時間病室に居ました。

そしてまた１時間かけて家に帰ります。

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母とおしゃべりをしたかったけれど、大学病院入院中にＡＤＬが極端に落ちた母とは会話がほとんどできません。母の言っている事が分からないのです。

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母は何度も同じ言葉を発します。でも分かってあげられない。イライラしてきます。

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７月８日。

母が目をキラキラさせて「帰ろうか」

と言います。「大丈夫。」「元気なの。」

と、足のすねに点滴が入ったまま言います。

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連れて帰りたくなりました

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もう私達家族にできる事はないのでしょうか？

こんな薄暗い病院で一生を過ごすのでしょうか？

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時間になり、母に「帰るよ。」と告げると、

自分を置いていくのかと怒りだしてしまいました。

心の中でいっぱい謝って、後ろ髪引かれる思いで帰りました。

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今でも思います。

あの病院で２年間。薄暗い病室で、目も開けられなくなり母は何を思って夜を過ごし、一人の時間を過ごしたのだろうと…。

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聞こえてくるのは、看護師の私語、患者の声、

山の中の鳥の声。

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母は何を思って生きていたのでしょうか？

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お読みくださりありがとうございます。

長くなりましたので、

また後で続きを書きます。

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子どもは、自分で「MUST」と判断した事は、必ず守ります。

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例えば、

・交通ルール、シートベルト、車のロック（命に関わるため）

・毎日の歯磨き（健康に関わるため）

・残さず食べること、好き嫌いをしない（健康に関わるため）

・歩きながら電話をしない（事故防止のため）

・決まった道を通って帰る（事故防止のため）

・・・などなど、自分の中で「MUST」と判断した事は、断固として守ります。

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ところが、子どもは「MUST」と判断しなかった事は、何回言っても守れません。

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例えば、

・姿勢を正して読書、勉強、食事をすること

・相手が読める字を書くこと

　（ただし、字をキレイに書かないと減点される「国語」等はMUSTと判断）

・開けた引き出しやドアを閉めること

・窓を開けっ放しにしないこと

・持ち物を確認すること

・・・などなど、本人が「MUST」と判断しないことは、１０００回言っても守ることができません（苦笑）

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わが子の脳の中では、

・「MUST」な事

・「MUST」でない事

の２つが、極端に、ハッキリと分けられ、

後者と判断されたものは記憶されないシステムなのです。

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なので、守らせたいことを本人が「MUST」と感じない限り、何千回言っても「ムダ」なのです。

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その事に気付くまでは、本人の怠慢だと思っていましたので、

「何度言ったらわかるの～！」

と、イライラする毎日でした。

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本人がMUSTと感じるまで待つしかない、

本人がMUSTと感じるきっかけがなくてはならない、

ということです。

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例えば、窓を開けっ放しにした時に、蜂の大群が入ってきて、

わが子を襲い、救急車で運ばれる・・・なんて大事件が起きたなら、

二度と窓を開けっ放しにすることはなくなるのでしょう。

（そんなことはないでしょうけど）

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とりあえずは、MUSTではなくとも、WANTがきっかけになればと思いました。

以前綴った「ほめほめノート」は、WANTのきっかけになりました。

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ほめほめノートはじめました！

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「窓、ちゃんと閉めたね！」

と当たり前のことでも褒めて、ノートに書いてあげます（笑）

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効果はいつまで続くかわかりませんが、

WANTがきっかけで守れることが増えていけばいいなと思います。

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