過激派の大運動会

過激派
Pocket

過激派専門ショップ

[[信念に関しては、岩のように動じるな!その他に関しては、流れに任せてしまえ(旧アメリカ合衆国第3代大統領トーマス・ジェファーソン)]]宇宙世紀0096(ダブルオーナインティーシックス)年、第3次ネオ・ジオン戦争(ラプラス事件)終結直後、人々は、インダストリアル7のメガラニカから発信され全放送網にかつてのジオン公国の礼装を纏うミネバ・ラオ・ザビを騙る少女の映像と言葉へ全人類は驚愕した。宇宙世紀元年に初代首相リカルド・マーセナスと各国代表のサインを記したラプラス憲章は、『新人類(ニュータイプ)の誕生を示した条文に政治参画を認める』と示されていた真実を語り、長期に渡って地球連邦政府が隠蔽し続けたその事実は、大きな議論を煽り報道はセンセーショナルを呼びお越した!議論はアースノイド、スペースノイド、ルナディアンを問わず「既に「新人類(ニュータイプ)が台頭しているのか!?」」と白熱し沸騰した。しかし悲しいことにその高度な議論は一般大衆が回答できるものでもなく哲学者やジャーナリスト又は一部の反政府活動家の議論の中で終止していった…。過去の出来事として関心は次第に薄れ、時がそれらを追いやっていつしか語らぬ価値のないことして過ぎさり葬られていった…。
ラプラス事件後、人々は、つかぬ間の平和が訪れスペースノイドは来るべき宇宙世紀100年に想いを寄せて新世界を想像したのだった…。
人類の生活環境が宇宙に適応し人の生活は宇宙に浮かぶシリンダーの内壁にへばり付きながら生活する事を当たり前として、受け入れ、人は子を生み育て、そして死んでいった…。宇宙に進出し人口は100億に増えて、人類がその生活圏をスペースコロニーへ拠点を置いて、満100年の時を刻み来るべき新世界の準備を誰もが平和の中で訪れる事を望んでいた。
宇宙世紀0100(ゼロオーハンドレット)年12月31日、地球から最も離れたサイド3は「ジオンの名の下」に度重なる戦乱を地球圏全体へと拡大してジオン共和国は、これ以上の戦禍の拡大と戦乱を求めず…自ら自治権を放棄することで戦乱の終止符を打ち、新たな一歩を踏み出そうとしていた…これは終演と新時代幕開け当日の物語である。
ズム・シティーの中心街にそびえるかつての公国宮殿前の演説台で、その歴史は動き始めた…。
宇宙と地球と月に住む全ての皆さんこんばんは!

私はジオン共和国最後の首相ロベルト・リヒャインブルガです。

宇宙世紀0100年(ゼロオーハンドレット)12月31日、ジオン共和国は、地球連邦政府へ自治権を返還して連邦政府傘下のサイド3へ戻る日を迎えました。
私はジオン共和国の最後の首相としてこの日を迎える栄誉を頂きたいへん恐縮であります!
過去を振り返れば宇宙世紀0058年ジオン・ズム・ダイクンが提唱した「ジオニズム(宇宙自治権)」運動の拡がりを端に、サイド3全域へと世論は拡大して、サイド3のムンゾ自治共和国を中心に「ジオン共和国」として独立を宣言!0068年、ジオン共和国議会演説中帰らぬ人となられた「議長ジオン・ズム・ダイクンの暗殺説」また「ザビ家のダイクン派追放と公王制の導入」更に「デギン・ソド・ザビ公王を頂点とする事実上のザビ党独裁政権の樹立」、ギレン・ザビ総帥の演説に導かれたジオン公国軍民は「一年戦争」の開戦へと進みました。しかしザビ党一派の独裁政権は崩壊…終戦後、ジオン残党を糾合した度重なる「ネオ・ジオンの台頭」を許し地球圏の戦乱は終結の糸口さえも見えず今日迄に至りました!我々ジオン共和国は、地球連邦政府が、統率するサイドへ慈悲深く受け入れ、ジオン軍人並びに国民に対してこの1週間「「ジオンらしさ」」を与える日々を許されて参りました。
地球連邦駐留軍の大規模な縮小をはじめジオン共和国軍人に「ジオン公国の軍服着用許可と軍旗の掲揚やアナハイム社からの新造艦(ムサカ)供与、ムサイ改やチベの武装とジオン歴代のモビルスーツの艦載」これ等は、最後の花道としてたいへん痛み入る所存であります!
これ等を許して頂いた地球連邦政府レイニー・ゴールドマン大統領や地球連邦政府並びに地球連邦軍に対して感謝の言葉でいっぱいであります。

ジオンの名の下に地球へ3度のコロニー落としと1度の隕石落とし…地球の気候変動やアースノイドの人々は苦しい日々を強いられてしまったことでしょう…。しかしそれらの日々にようやく終止符を打つときが訪れました!私はジオン共和国最後の首相としてジオンの自治権を放棄することで地球連邦政府との間に「戦乱の消滅」を、ここに宣言する所存であります…。重ねてジオン戦没者慰霊式典にご参列頂きました地球連邦政府大統領ゴールドマン閣下をはじめ政府関係者並びジーン・コリニー・ジュニア(2世)地球連邦軍統合参謀本部議長や各サイド方面艦隊司令官におき…ザザ…ジジとノイズが入り首相の演説が聞こえなくなる。

薄暗い闇の一室…一瞬宇宙を漂う感覚を覚えるが身体はベッドに深くもたれているのを微かに感じる…遠くから私を呼ぶ声が現実かとおぼろな感覚とさせる。「少佐!お時間です。」まだ、頭はクリアではない。年少幾ばくかの華美なモールをまとった軍人らしきその声の方に顔を向ける「時間の意味」は直ぐに理解した。そうあれから私は4年間地下活動を強いられた…大佐の亡骸を抱き締めながらさ迷い続けた暗礁宙域…インダストリアル7での攻防に巻き込まれ旗艦艦隊は、コロニーレイザー(グリプス2)の照射を浴びて破片も残さず消失…ユニコーンガンダムやクシャトリヤをはじめネェル・アーガーマ単艦で壊滅に陥ったテニスン艦隊の残存兵力を糾合して現在に至る我が身…。前の大戦とこれまでの戦闘の付けを、まだ我々に託そうとする「大人の論理」…吐き気すら感じて来るが、それでも私を頼る部下達の信頼を裏切ることはできずこの間…私のできる範囲で軍再建を試みた。私は特にMSの建造に重きを措いた!4年前、我々は、主に第2次ネオ・ジオン戦争以前のロートル機を数合わせとした感が否めなく、大佐のシナンジュにしてもアナハイムから譲渡される始末…アナハイムのジオンシンパと連携を密にして月面第2の都市グラナダ工場にて「AMS-129ギラ・ズール(一般兵士仕様)」の後継機を生産ラインに乗せる事に死力し成功させた!ネオ・ジオン最後の一般兵士仕様「AMS-135クランケンハオス」を、決起一年前に量産ラインへ乗らせる事が出来たのはほぼ奇跡に近い!アナハイム・エレクトロニクスの旧ジオニック系シンパが多数整備要員として加わり、デザインもジオン伝統に基づく意匠へ仕上がったことへ感謝と「ジオンへの忠義」を、尽くす整備士等に心を揺り動かされた…。ジオン本国から一番離れたスペースコロニー(38番地・ケーニヒスベルク)へ秘密裏に入港させたムサカ級とエンドラ級からなる偽装貨物船を含む10隻のネオ・ジオン艦隊は、地球連邦政府へ逐次情報が漏れているのは判りきっていた。「4年前のデキレース」と何も変わってはいない…正し「ジオンの自治権放棄の事実」だけは変わらぬ真実だった。誰がこの日の決起を言い出したのか?今ではそれすらも考えたくない心境だが、兵達の士気は高く…何を得るモノがあるのか解らず「大人の論理と兵士らの意志の中心」に立たされた私はただその流れの渦に呑み込まれていった…。「私は大佐ではない」と、不意に呟き…かつて大佐の影としてお側に寄り添っていた日々が懐かしく脳裏を過る…私の存在はどんな価値があるのか!?その気持ちが強くなった刹那…身体は反射的にベッドから起き上がりいつもの様に軍服へ袖を通す…。片方の袖は無重力で漂う…4年前の戦闘で片腕を損傷した。当たり前の無重力空間に流されながら、過去の古傷を労る仕草を見せるのは統率者に於いて必要枠である。統率者は時に部下へ弱い一面を見せる事で、同類種(非ニュータイプ)であることを自覚させて更なる結束力を生み出すのだ!連邦軍から「袖付き」と仇名されたジオン伝統の軍服は、4年前から変わらずネオ・ジオンを支持するシンパから軍服や装飾品は生産され続けた。年少幾ばくかの軍人から前の大戦の経験者らの寄り合い所帯…それでも「軍率を頑なに守り「ジオンの再興」」を、今だ夢見る老政治家ら…狂気の沙汰とは思えないが、それを私に託したのだった…。
老中将の言葉が脳裏に微かに響くのを感じた…「老兵は死なずただ去りゆくのみ…そうであろ「ダークナイト」」…直訳すれば影の騎士…私への当てこすりか…と思わず笑みがこぼれる…年少幾ばくかの兵士は、かつて大佐の親衛隊員として初戦に参戦しユニコーンの流れ弾で戦死したセルジ少尉の弟…彼らは一卵性双生児だった。私の曇り顔を何事か推測できず直立不動の姿勢を保つ…私の副官として支え…世が世なら…と、一瞬彼の顔をみて考察したい衝動に刈られたが、そんな時間もないと思い返し着替えが済むと、年幾ばくかの副官と共に自室を後にしたのだった。

通路に沿ってグリップを握り身体を流しながら進むのはここが無重力である証拠…スペースノイドは、コロニー内部で地球と同等1Gの重力空間を擬似的に生み出す事でその環境へ適応している(軍艦内も同様に居住ブロック(重力下)と戦闘ブロック(無重力)に分類されている)幾つかの区画を曲がって、エレベーター手前でグリップから手を離し二人が乗り込むと、瞬時に上昇を開始し目的地の階へ再び通路に沿ってグリップを握り…到着…足を着いた刹那、扉が開放…ひし形の艦橋(ブリッジ)内へ身体を流した…。無重力空間に於いて上下は関係なくブリッジの各部所は天井に配置されてある…華美なモールを纏った軍人数十人らは、各部所に配置されて、モニターパネルの操作やデータ解析に余念がない。ブリッジ中央に陣取る艦長席の方へ流れて「艦長…連邦の動きはどうか?」と問う。艦長は、直ぐ様振り向き現在迄に精算された報告を述べる…「ジオン共和国(1番地・ズムシティー)」を、全面にロンド・ベル全艦隊が布陣…時計回りに月面軌道艦隊、各サイド方面艦隊…サイド3を360度包囲し展開してます…蟻の子一匹出られません!」と、嘆息混じりに息を吐く…。艦長の肩へ手をそっと添え…同感だと無言の視線を投がかける。連邦宇宙軍内の役割で本来、外郭機動艦隊であるロンド・ベルは、戦闘目的外で動員される事はあり得ない…。連邦の「宇宙軍再編計画」が、軌道に乗れば真っ先に独立愚連隊のロンド・ベルが解散の憂いを見るであろうことは、後ろ楯となっている国防族の重鎮たるジョン・バウアー議員も承知で存在感を示すためにジオン残党狩りの象徴であるロンド・ベルに「ジオン自治権放棄」を見届ける水先案内人の役割を押し付けたのだった…。

艦長との視線を逸らし…一瞬、脳裏を掠めるを…自らを奮い立たせて、軍をかろうじて再建させた日々…。中将の威光激しく「決起の次期は、予測を外してズレ込み最悪の日」の決定となった…何を根拠にこの日を算出したのか!?特に老中将は艦隊再建に著しく拘り数年前から、既に廃墟となって久しい「鉱物資源衛星パラオ」へ自ら出向いて、耐応年数の過ぎた数隻のムサカ級軽巡洋艦とエンドラ級軽巡洋艦が放棄されているのを確認しアナハイムへ新造艦建設を見込めない以上…アナハイム社のジオンシンパをパラオへ送り込み修理と改修を施し…隠れ身のにブッホ・コンッツル傘下のブッホ・エアロダイナミックから非公式ルートで数隻の偽装貨物船を調達した。更に「旗艦なくして艦隊なし!」と1年前に決起して敗北したネオ・ジオン残党軍の座乗艦…かつてジオン公国参謀だったベルム・ハウエルのレウルーラ(シャア・ダイクン旗艦レウルーラの予備艦)を、アナハイム社のジオンシンパに協力を仰いで中破した軍艦を曳航させ機密に修理・改修させた…月のどの工場にその深紅の軍艦を紛れ込ませたのかは今を持ってしても謎のまま…。レウルーラは、大佐を感じる軍艦であるため私には拠り所となる反面…精神的に不安感を覚える…中将のごね得を呑み込みつつも深紅の軍艦は、濃緑色のカラーリングに塗り替え、ブリッジの外観頭部に金色でネオ・ジオンの紋章を染め上げた…老中将は色や飾りに拘りは持たなかった…。
ブリッジの操舵席裏に取り付き…窓越しの宇宙に目を向けながら…「我ヶ艦隊とMS隊の状況は?」と問う…艦長が、副長へ視線を向けて、副長が報告を上げる「現在ムサカ級の1番艦(エルザス)」並び2番艦(ロートリンゲン)は、コロニーの裏側で、第2種戦闘配備中…グスタフ大佐率いる艦隊は、ムサカ級3番艦(ブランデンブルク)~偽装貨物船4番艦(ボヘミア)は、縦陣形を保ちながら、ズムシティーへ向けて進撃中…第1種戦闘配備…ダミー隕石を放出しながら各艦…第1MS隊発進と同時に…第2MS隊の発進準備…ジオン共和国軍内部シンパ(宇宙(そら)の会)のMS部隊と合流後「正規の警戒部隊」に見せ掛けたMS隊としてカモフラージュしながら進行中の模様…。」艦長と副長に振り向き「上出来だ!」と応えた。艦長へ「モビルスーツデッキへ降りるぞ!」と伝え、艦長と副長は、踵を返すのだった…。

サイド3・ジオン共和国コロニー群の合間を縦陣形で本国へ進撃中…先頭艦のムサカ級3番艦(ブランデンブルク)艦長が、誰に語るでもなく一言呟いた…「全く…スペースノイドだと言うのに、此処まで本国のコロニー群へ接近したのはいつ以来だ!?」…副長も釣られて「私もです…」とお互いノーマルスーツのバイザー越しに顔を見合わせた。長き戦闘が故郷の記憶すら薄らぎかけて久しい…。ダミー隕石の放出量があからさまに多ければ連邦軍の軌道無人偵察衛星へ位置を追跡されてしまう。この無謀な作戦を立案したのは目の前にノーマルスーツを着用しないで、軍服のまま立つ将軍であろう事は、ブランデンブルク艦長は感じていた。艦長は、この無謀と云える理解し難い作戦を承認した上層部に対して常軌した感情が沸いて来ることはなかった…。我々は、ダークナイトの下一枚岩で統率されている…4年前の戦闘に見切りを着けて「「一つ語」に拘る共愛主義者」ではなくなったのだ。忌まわしい過去を頭から振り払った刹那…ブリッジの通信席に座る通信員が艦長へ振り向き一報を読み上げる。「先行するカレルギー大尉の部隊が宇宙(そら)の会と接触…「第2段階へ移行後、通信は遮断して先攻する」とのことです!」艦長の脳裏は、急激に現実へ引き戻されて、直ぐ様強めの口調で命令を下した「第2段階へ移行と同時に各艦第2MS部隊を射出後、直掩へ展開して対空監視を厳と成せ!」と発した直後、艦長席よりより一歩前で直立して無言のまま腕組みする姿勢正しい背中の将軍がボソりと一言呟く「接触相手がカレルギー部隊とは…これも運命(さだめ)か」と…。
マユコ大尉は心中穏やかでは要られなかった「私が何故、先発隊を率いなければならないのか!?」と、ダークナイト親衛隊長として本来は戦隊を組み少佐のお側を一身に守る我が身のはずが、先陣を切る役目と成るとは…中将かグスタフ司令の威光に少佐が屈したとは想えず少佐の胸中を察しながらも現作戦を遂行中であると我に帰り冷静を保った「4年前、ジオン共和国モナハン・バハロ国防大臣を後ろ盾にした共和国内極右組織・風の会。決起して解散の憂いを見たと思われていた。しかし派生して組織を再編していた「宇宙(そら)の会」は、果たして信用出来るのか!?」一般兵士様MSクランケンハオスの僚機が左右に展開する腰にはビームマシンガンがマウントされているのを凝視て、宇宙(そら)の会の旧親衛隊様MSギラ・ズールと接触回線を開き本国へ乗り込む安全な直接ルートの算段を改めて練るのだった…。

レウルーラの艦橋(ブリッジ)を副官と後にして、私と副官は、通路に沿ってグリップを握り身体を流しながら再び幾つかの区画とエレベーターでMSデッキへ行く途中に副官のセルム中尉が少し籠った声で聞いてきた「アンジェロ少佐よろしいのですか!?マユコ大尉が先発隊を率いるとは…親衛隊長自ら隠密作戦の先陣とは…私はどうしても解せません…。」苦悩顔をにややうつ向き寡言のセルム中尉の顔を見定めてグリップを離しMSデッキ直通のエレベーター内でその答えに応じた「マユコ大尉に関しては私の意向は反映されていない…また親衛隊長の任務も解かれることだろう…。」セルム中尉は、何を云われているのか判断出来ず困惑顔を見せた。更にセルム中尉に語ると言うより一人言を発するがごとく話しを続けた「私がかつてシャアの再来と呼ばれた首魁へ誰よりも近くお側に居た存在だった事を想えば私へ「ジオンの再興」を託すのは至極当然の事だと感じる…中将が…テニスン中将が、当てこすりに「ダークナイト」と呼ぶのはそんな経緯からかも知れない…しかし作戦が新たな段階に入ったのだ…私の立ち位置も変わることが予想される…我々が、「袖付き」と仇名された新たな「象徴」が帰還される…。」セルム中尉は何かを察したのか私の顔を凝視するなり今にも泣き出しそうだ…私の脳裏には4年前暗礁宙域を中破した愛機のローゼン・ズールと大佐の機体シナンジュの残骸と共に漂いシナンジュのコクピットに座るパイロットのバイザーは粉々に割れてその生身の身体は、寒々とした光景が今でも鮮明に眼の奥に焼き付けられている。私の頭で浮かんだ名前をセルム中尉が言葉に発した「シャア・アズナブル!」私は黙しセルム中尉は歓喜の顔付きで、子どもの様な声高らかに叫ぶ勢いだった。エレベーターがモビルスーツデッキに到着の合図を鳴らし扉が開いた瞬間、私へ姿勢正しく最敬礼で腹の底から唸る様な声を一言上げ「ジークジオン!」と多少声が裏返った。MSデッキに入る直前、壁面にデッキ内は隔壁が開いているサインが点滅していた。私とセルム中尉は、ガンルームに入りパイロットスーツを着用後デッキ内の通路へ入った。バイザー越しに、眼を凝らしてみるとガイドビーコンが消えてランチ挺と大型貨物船が着艦寸前で、セルム中尉はかなり興奮気味に通路から上半身を乗り出しランチ挺へ眼差しを集中した。数人の整備要員がペンライトで隔壁閉鎖を指示するとMSデッキは密閉空間となると同時にエア(空気)も注入された。どうやらランチ挺の挺員は、ノーマルスーツを着用してないらしい…。私自身エア(MS)が、MSデッキに充分行き渡る数秒間が数十分に感じられ異様な錯覚へ捕らわれた…。エア(空気)注入完了のサインが、室内コントロールセンターから拡声器でMSデッキ内を響き渡る。既に着艦したランチ挺の出口が開放されてタラップから、整備要員やスーツ着用、そして袖付き特有な華美のモールに纏った軍人計20人ほどの男女が続々と降りて来る。MS直通エレベーターで、降りて来たとは云え二人が居るのは上部デッキだったので、遠くてよく捉える事が出来ず歯がゆさを感じる…。セルム中尉は私を凝視してランチ挺員へ近付く無言の許可を求める…。私は小さく笑みを作ったと同時に彼は通路の手すりを素早く蹴り飛ばしランチ挺へ流れて行った。ランチ挺の周りには艦長を始め主要な要員が続々と集まり整列し始めた。元々レウルーラは第2種戦闘配備中の為に制服組が多くセルム中尉を始めパイロットスーツやノーマルスーツを着込んだ者は少なかったが、それでもその列に並ぶことの意味(象徴の帰還)を強く見出だす者はやはり多く居た。文官と想われる老人らが艦長と握手するのを眼を細めて捉えた。次にマスク姿で銀髪をなびかせながら華美な赤色のモールに纏った人物が現れた…。私は心臓を鷲掴みにされた様な感覚へ陥り激しく動揺した!「大佐!!!」思わず叫びそうな思いを呑み込んだ…。大佐であるはずがないと強い憤りを覚えながら動揺と不安感を抑え込んだ!銀髪のマスクは艦長や要員らと握手を重ねた。銀髪のマスクが私の存在を捕らえ顔を上向きに動かし一瞬見つめ合ったが直ぐ様顔を戻し艦長の招きで幹部連は、MSデッキを後にしたのだった…。幹部連が去りつかの間の平穏が訪れたと同時に歓喜の声が平穏を破った「ジーク!…ジークジオン!」の声がMSデッキをこだました。

ランチ挺と共に着艦した大型貨物船はコンテナの開放が始まり整備要員が各所から流れて、MSデッキは慌ただしくなり始めた。MS一機分が格納されているであろうことは想像していたがやはり新型のモビルスーツだった。かつてのシナンジュを連想させる深紅に染め上げられたモビルスーツ。銀髪マスクを見掛けた時は、激しく動揺したが…真紅のMSへの反応は、意外な程冷静を保てた。既に搭載現数を超えているが第1MSデッキへ真紅のモビルスーツを奥に浮遊させた。私が月のグラナダでネオ・ジオン軍再建のモビルスーツを旧ジオニック系シンパ支援の下、組み上げて完成させた様に銀髪マスク等幹部連もアナハイム・エレクトロニクス上層部と結託して譲渡されたのであろう。所詮アナハイムは、武器商人に過ぎず、連邦とネオ・ジオン双方へ顔を変え品を変えて武器を売っている。現場の都合でいつの間にかユニバーサル仕様に到達した軍産複合体の淘汰だ!しかしアナハイム側も年々戦闘地域の縮小により危うい立場に置かれている。武器商人はテロリストや過激派に武器を売ればいいって云う問題ではない…更に宇宙世紀100年(ゼロオーハンドレット)を持って連邦軍がアナハイム一辺倒だったMS開発から脱却を軍内部で検討しているとの噂が漏れアナハイム上層部は危機感を露にした。いわゆる政府と軍の共同計画に基づく「宇宙軍再編計画(艦隊再編及び小型MS構想)」の始動である。アナハイムから長期間MSを始め技術提供を受け続けた結果、軍内部では蓄積された膨大な資料がありそれらを技術部門が数十年間に渡って精算独自の理論に到達しようとしていた。艦内には第1MSデッキに私の部下の親衛隊仕様AMS-135クランケンハオス3機と一般兵仕様クランケンハオス1機が向き合いながら立体する。同様に下部第2MSデッキには一般兵士仕様AMS-135クランケンハオス1機、AMS-129ギラ・ズール旧親衛隊仕様(エース級)2機と私の愛機AMS-138クランケン・カッセで4機づつ向き合いながら艦載されている。どちらの側でも慌ただしくいつ命令が下されても間に合う様にベテラン整備要員の怒号が飛ぶ姿を想像できた…。私を中心に再建されたネオ・ジオン軍の艦載機は、第1次ネオ・ジオン戦争以前のモビルスーツは、ほぼ搭載されていない。4年前の失敗(数合わせ)を教訓にグリプス戦役やデラーズ紛争または一年戦争のモビルスーツは戦力以前に使い回しが悪すぎてカスタム化すら不可能だからだ!先発隊として進撃中のムサカ級3番艦(ブランデンブルク)~偽装貨物船(ボヘミア)4番艦は、AMS-135一般兵仕様のクランケンハオスやAMS-133試作実験機クランケンヴァーゲンを中心にAMS-129ギラ・ズール、RMS-119アイザック(早期警戒用)等、比較的新旧のモビルスーツに誤差がなく艦載している。連邦軍へ初めから向き合えば勝ち目のない戦である…それでも「一人一人の兵士が命を預ける機体は、万全を気したい」と云う想いから負担軽減へ重きを措いた。今自作戦に措いて出来る限りの努力を徹底した。上層部は、どのようなルートで財源を用立てたのかは想像出来ないが、一年戦争終結間もない次期からザビ家の隠し財産をジオン共和国内部の一派が幾つかの反政府活動団体へ資金を分散させてネオ・ジオンが勃興する際に軍資金として供給されて来たと言う噂を聞いていたが、真意を追及することに何の興味も沸かなかった。長期に渡って現場(パイロット)から不評だった「アームレイカー」を取り外した。当然かつてのザクを意匠し引き継いでいる伝統を敢えて捨て去るのだから反対意見もあったが全て跳ね返した!私は「4年前の二の舞(敗北・憔悴・混乱)は、あってはならない事で既に3度ネオ・ジオン軍は敗北している事実を受け止めれば全てジオン伝統等を拘っていられない」と、テニスン中将へ迫り中将も受諾したのだった…。私は通路の手すりに肘を付けながら暫く深紅のモビルスーツをバイザー越しにぼんやり眺めかつての首魁と先ほどの銀髪マスクを脳裏に重ね発するつもりはなかった一言「フル・フロンタル大佐…」と呟き発したのだった…。

艦橋(ブリッジ)の艦長席の横にに立つ副長のレーゲン・ハムサット中佐が、ポツリと発した「静かですね…下の連中を除けば」と最後の言葉が悩みの種だった。艦橋(ブリッジ)に警告音が鳴り響きオペレーターが警告表示のディスプレイを確認後、艦長に振り向き諦め顔を突き付けた。ラー・カイラムの艦長ブライト・ノア大佐は、一年戦争でニュータイプ部隊の艦長と云われ、その後主要な戦争に関わり続ける事で地球連邦軍内部から「彼自身がニュータイプなのでは!?」と疑心暗鬼の眼で見られる様になり「シャアの反乱」以後、コリニー・ジュニア統合参謀本部議長自ら地球勤務を度々命令される始末であった。シャアの反乱後はロンド・ベル隊の出動機会は減っていたので軍上層部としては好都合であったが4年前のラプラス事件発生直前には、ロンド・ベルの母港であるサイド1のロンデニオンへの転属(事実上の隊司令兼艦長へ復帰)の命令が下るも事が終われば地球へくくりつけて、宇宙(そら)へ復帰させる事を軍上層部は頑なに拒み続けた。しかし、ブライトは、地球の生活そのものをネガティブに捉えなかった。家族がまともに揃った生活は軍役生活の長さで成り立たなくなっていたからだ…。妻のミライはかつてホワイトベースの操舵手で伴に戦火をくぐり抜けて来た。連邦もジオンもよく理解して要るがそう云う彼女だからこそブライト自身、彼女への負担を減らす事に本気で考え軍からの退役も望んでいた。そんな中で度々地球行きの命令は願ってもないチャンスで、特に息子のハサウェイは、6年前の第2次ネオ・ジオン戦争へブライトの知らぬ間に参戦し敵機の撃墜に関与して法務局から尋問を受けて以後、抑鬱状態へ陥り地球のサナトリウムで療養生活を過ごしていた。最近は、病状も安定して「植物官候補生」へ成りたいと夢を語り、長女のチェイミーも学生生活を楽しむ様子が見えていた矢先の宇宙転属…それも家族4人全員分のチケットと大統領自らの推薦状も送付された上に、警護要員も送られる始末。今回のジオン共和国自治権返還式典の連邦側の主役は、ロンド・ベルのブライト・ノア大佐以外に有り得ないとの地球連邦政府大統領レイニー・ゴールドマン氏直々の希望で軍上層部も式典への参列ではなくサイド3の警備を率いる「地球連邦軍総軍司令」と云うことで折れた。総軍司令とはあくまでも肩書きに過ぎないからだ。しかしそんな男でも手に焼く事はある。狭い軍艦内の部下たちへの規律を守らせねばならないのが艦長の役目の一つでもある。しかし度々問題が起きるとさすがに減なりしてし、頭を抱えた艦長を見かねたレーゲン副長が「第2MSデッキへ降ります!」と強めの口調でブライトへ具申した。連邦軍は、警戒態勢であり艦橋(ブリッジ)に副長不在は不味いと想いオペレーターにMSデッキへ回線を廻す様に命令した。既に3回目の呼び出しだ。オペレーターがヘッドホンでMSデッキに回線を繋ぐと艦橋(ブリッジ)窓越しの上部ディスプレイにアンナ・ハンナ准尉が映し出された。彼女もブライト同様主要な戦争に関わり歴戦の有志でMS整備要員を統括するスタッフであり、ラー・カイラムの要員に欠かせない一人だ。しかし今はそれを想う事も例の二人の問題を解決しなければと彼女へ命令した。アンナ准尉の怒号が遠くの方にいる人物へディスプレイの音声マイクが拾った。ディスプレイには遠くの方から流れて来た軍服姿の二人の女性兵士が近付いた。ディスプレイの前で最敬礼の姿勢。ブライトは二人に対しておもむろに「分かっているな!」と口調を強く断言!二人はハミングして「分かりません!」と言い返しながらお互いの顔を睨み付けて返答した。ブライトは「警戒態勢下だぞ!」と、念押してかつてホワイトベース時代からの戦友アムロが、若かれし頃に平手打ちした感情が湧いて来たが二人にそれをすることはさすがに躊躇いながらも毅然と「現態勢へ万全を尽くせ…以上!!!」と、言葉を一方的に遮断した。続いてオペレーターへナイジェル少佐を呼び出す様に指示しディスプレイが第1MSデッキで整備中のRGM-100aジェムス内にコクピットのシートへ収まるナイジェル少佐を映した。コクピット周りは、全天視界画像(オールビューモニター)と云われ360度3D画像を展開しあたかも宇宙に浮いているような感覚を生じる様に設定されている。ナイジェル少佐は、整備要員と微調整をチェックしてる所に、モニターパネルの一部へ艦橋(ブリッジ)とリンクしてブライトの顔が映し出されたのを凝視するなや頭をぐしゃぐしゃ掻きながら減なりした様子を見せ「あ~」と一言呟いた…。ナイジェルは「抱くのは専門ですが…仲良しってのは専門外です」とブライトへぶっきらぼうな口調で投げた。副長のレーゲンの眉がぴくりと上がるのを、ナイジェルは反応して言葉を改め「部下等は貴重な戦力です!必要であればそれなりの方法で纏め上げてみせますが!?」半分脅しと本気だった…。ブライトは一つ大きなため息を吐いて「ほどほどに頼む」と回線を切った。ブライト等はロンド・ベル独自の調査で「ジオン自治権返還式典当日に何かが起きる」と言う確かな調査結果を突き止めたが何が起きるのかと云う核心迄は到達出来なかった。だから部下の気の緩みは黙認出来ずにいたのだ!宇宙のジオン残党軍の動きがここ数年音沙汰がない事が不気味でそれが何等かの準備だとしたら…ブライトは幾多の戦闘に参加したことにより直感力が鋭い…これが軍内部で問題視されている「彼もニュータイプなのでは!?」と云うことへ=(イコール)になり、ブライトの調査権限も途中で剥奪され地球行きを命じられる始末であった。ジオン自治権返還式典当日を迎えた今、滞りなく終了する事を願わずに要られなかったが…ロンドベル隊司令の権限を発揮して、独自の行動をジオン共和国(本国)周辺コロニーへMS部隊を展開し警戒任務へ当たらせている。小さな動きがあれば報告する様に徹底させた。

エリザベートが「あんたのせいで怒られたじゃないの!」と高音がMSデッキ内へ響くとシシィも「なんで私!?」と、また跳ね返る…二人の若き女性士官の高圧的態度に身体のゴツい男性整備要員数人等は唖然とする始末で第2MSデッキの空気は重たい…。その様子を見かねたオスカー大尉は、怒りが頂点に達していたが、冷静にしかし口調は、激しく怒鳴り付けた「オマエら二人共にいい加減にしないか!?ここは幼稚園ではない軍艦だ!しかも連邦軍総司令が座乗する旗艦だ!オマエらの戯れ言に皆迷惑している…オマエ等はそれでも連邦の士官か!?この騒ぎを止めるつもりがないのなら艦長へ報告し軍法会議の開廷を求めるぞ!!!」と強烈な脅し文句を繰り出した。二人はさすがに無言になり高圧的な態度が微かに中和して、針積めた空気が緩和するのを第2MSデッキ内にいる全ての人々が感じて行った…。遅れて参じたナイジェル少佐が「やるじゃないか」と微笑を向けながら身体を流して降りて来た。「艦長の命令でこっち(第2MSデッキ)へ流れて来たが、動物園は静かになった様だな」と言い終えてデッキへ両足が着いた。オスカー大尉は、反射的に振り向き敬礼の姿勢を執りナイジェル少佐はそれを軽く流した。ナイジェル少佐が子どもを諭す様な口調で「もう大丈夫だな?」と話し二人の女性士官は、再びハミングして「ハイ!」と返答し最敬礼の姿勢を執って別々の場所へ身体を流した。ナイジェル少佐が原因をオスカー大尉へ尋ねた。オスカー大尉は、「たわいもないお話しです…軍艦内で話すレベルではありません」と答えるとナイジェル少佐はすかさず「男か!?」とオスカー大尉は面食らった様な顔の後頷き首を大きく降った。ナイジェル少佐は高笑いをして更に突っ込み「モテる男は辛いな~!」と追い打ちを掛けた。オスカー大尉は全力で身振り手振り否定するもナイジェル少佐は受け入れずオスカー大尉の首に腕を回して軽く腹部を拳で叩きながら高笑いして「どっちが本命だ?」と事を終わらせない。オスカー大尉は「ナイジェル少佐、誤解です!」と言っても受け流される始末…オスカー大尉は半分諦めの境地で、ナイジェル少佐に身体を揺らされながら事の熱が冷めるのを待ったが、そのぬるま湯の空気を突然非常警告音が破った!ラー・カイラム全艦内へ響き渡る。初めは、さっき勇めた彼女等かと穿ったが妙に背筋が冷える感覚に捕らわれて二人の男は、バカ騒ぎを止めて素早く持ち場へ身体を流した。艦橋(ブリッジ)は、オペレーターがてんやわんやの騒ぎになり副長のレーゲンが状況確認の指示を出し、ブライトは、オペレーターへ「どこの部隊が接触した!?」と問うとオペレーターは「第3軍のモビルスーツ部隊の模様…ミノフスキー粒子が急速に濃くなって行きます!」続いて他のオペレーターが「第3軍艦隊宙域内で爆光を連続との未確認情報!」最後は悲鳴に近い言葉になっていた。ブライトの脳裏に「まさか艦隊内へ入り込まれた!?ジオン本国の間近…本気で仕掛けるつもりなのか!?」と、ロンド・ベルの調査結果が見事適中してしまった事への落胆と、新ためて地球連邦軍総司令とは肩書きだけで権限がない自らの不甲斐なさを受け入れながら、地球連邦軍総司令として全艦隊に対し「第1種戦闘配備、各艦隊は陣形を保ちつつモビルスーツ隊をスタンバらせろ!」と発令した。

第3軍(旗艦ラー・ゼブラ)艦隊軍長メンフィス大佐は、典型的な中年太りで額から大粒の汗を吹き出して焦っていた。「え~い状況を…状況知らせろ!どうなってる!?なぜ艦隊内から爆発が連続する!?オペレーター…うゎ~状況を…状況を!」メンフィスは今にも艦橋(ブリッジ)から我先へと逃げ出したい衝動に刈られたが、グッと我慢して腰掛けの椅子の肘置きを強く掴み動揺を抑えた。左隣の艦長を睨み付けて見たが、艦長席に座るピエッタ中佐は、意に介さず艦長としての職務を全力で間髪入れずに命令を発する。第3軍各艦隊からRGM-89Dジェガン部隊が順次発進するも敵は艦船に取り付かれているのか近距離射撃と思われるビーム光の光りに命中して発進直後のモビルスーツ部隊はあっという間にきらびやかな火の塊が連続して四方へ飛び散り艦船の一部を破壊させる。メンフィスが近距離での大規模爆発におののき「ヒェ~」と情けない声で叫ぶ…第3軍(旗艦ラー・ゼブラ)の前面で防御陣営を保っていたラー・レイムが大爆発を起こし轟沈した瞬間だった…。旗艦ラー・ゼブラ艦長のピエッタ中佐は、爆光を顔へもろに浴びながらラー・レイムは外部からの攻撃ではなく明らかに内部爆発させられたと直感した。第3軍は見えない敵に翻弄され続けモビルスーツを射出しても直ぐに爆発を繰り返し、オペレーターからの報告では各艦船内で銃撃戦すら発生する始末…旗艦ラー・ゼブラ艦長ピエッタ中佐は「スパイに潜り込まれたか!?」と吐き捨てた…。第3軍は20隻の艦船から成りロンド・ベル第2軍と並び中核艦隊の一つだったが「宇宙軍再編計画」の煽りを受けて解散が決まっている。解散次いでに敵が好きな様に暴れまわっては、部下の尊い命が無惨に指を加えながら失われる状況を見てる訳にはいかないと、ミノフスキー粒子が濃いとは云え密集した陣形内の艦隊宙域ではレーザー通信の送受信は可能で、ピエッタ艦長の激しい激が飛ぶ「各艦船の艦長は艦船内のネヅミを見付け出せ!白兵戦は、臨機応変に対応しつつ、モビルスーツ部隊は、ダミーを放出して敵機を捜索し洗い…」と言い切らない内に後方の友軍2隻(ラー・スメル、ラー・トメル)が、連続して轟沈!ピエッタ艦長は、一瞬に3隻の友軍を失って、苦虫を噛むような想いだった…。第3軍長のメンフィスは、ラー・レイムが轟沈した直後に、ノーマルスーツ着用を指示し戦闘ブリッジ開放をピエッタ艦長へ命令し当人は真っ先に戦闘ブリッジの隅の席へ身体を押し丸め込ませた。ピエッタ艦長の命令で艦橋(ブリッジ)要員も次第に戦闘ブリッジへ身体を移動して、ピエッタはノーマルスーツ着用後も一人艦橋(ブリッジ)へ留まっていたがメンフィスの命令とも云えない悲鳴に推されて、艦橋(ブリッジ)下部の戦闘ブリッジへ身体を流した。艦長席に身体を座らせ、既に各オペレーターが、3次元ディスプレイにジオン本国を中心に輪となる連邦宇宙軍の艦船(マーカー)を映し出しMS部隊の展開は一目瞭然となった。オペレーターへ「ブライト司令へ現状報告と支援要請を、更に第2軍長のメラン中佐へ回線を繋げ!」と矢継ぎ早に各オペレーターへ命令しつつ今日は長い1日に成るかそれとも…と、残りの言葉は呑み込んだ…。

「この近距離で回線が途切れた!?」オペレーターの報告を聞いて衝撃を受けたのは第2軍艦隊(旗艦ラー・ベルト)軍長で中佐のメラン兼任艦長だった。更に別のオペレーターが「第3軍宙域内で大規模爆発拡大中の模様…。」と押し被せた。メランは直ぐ様命令を発し「第2軍各艦隊はMS部隊発進と同時に第3軍の救援に当たれ!」と命令するとこれに呼応して副長のラインバック少佐が「各後方艦船は、救援に向けて180度回頭転蛇急げ!!」と怒号をオペレーターへ飛ばした。旗艦ラー・ベルトは、シャアの反乱時代に進宙したクラップ級の同型艦でモビルスーツの運用を目的としたバランスのある宇宙巡洋艦としてロンド・ベル全艦船に配備されている。一直線に伸びたカタパルトデッキが特徴で取り回しの良い軍艦となっている。また旗艦ラー・カイラムも同時期に進宙して、カイラム級戦艦と云われる中央から左右へ伸びた特徴的なカタパルトデッキを突き出し同様にロンド・ベルへ連邦宇宙軍最新鋭艦が配備されている。ラー・ベルトの一直線に伸びたカタパルトデッキから新型モビルスーツRGZ-99リガードがウェブライダー形態で轟音を発し急旋回しながら、第3軍救援に向けて飛翔し、各艦船前方に浮かぶ幾つものサブ・フライト・システムMS長距離輸送機ベース・ジァバー(通称ゲタ)へ、第2軍の各艦船からRGM-89Dジェガンがカタパルトデッキから発進して、ゲタの表裏へ接舷、部隊を編成して急旋回しながら宇宙の深影へ消えて行った。第2軍の各後方艦船10隻あまりが陣形を組んで第3軍救援へ向けて発進を開始した。後方救援艦船団の団長を急遽拝命したラー・プリンストン艦長のイマムラ中佐は、既に戦闘ブリッジへ艦橋(ブリッジ)要員を移動させて究極的には艦隊戦も覚悟していた。イマムラ艦長に呼応して副長のマキナ少佐が「ミノフスキー粒子戦闘濃度散布と同時にダミー隕石放出!」と命令、イマムラ艦長は女性ながら伊達に副長迄上って来てないなと感心した。RGZ-99リガードが先行して第3軍の戦闘宙域へ到達した頃には正にそこは戦場と化していた…既に10隻の軍艦が大破または中破する戦場は誰もが長期戦を予想していたが呆気ない程に終わりを告げる。第3軍は見えない敵機に翻弄されて続けて、RGM-89Dジェガン部隊が爆発の光へ呑み込まれて行くが…リガードのパイロットパワー中尉は第3軍部隊が、常軌を逸し戦闘の波に呑まれていると直ぐ様感じて独断で第2軍部隊から離れ敵の索敵に入った。慣性で飛翔しダミー隕石を放出しながら各艦船へギリギリに迫ったら離れの繰り返し、パワー中尉の五感がフル回転したと同時に敵が艦船の底へ、へばり付いている箇所を見つけ出し、直ぐ様大口径メガビームキャノンと2連装ビームキャノンを同時に味方の艦船共に向けて発射した!敵機は火の玉と化したと同時に艦船もろとも大爆発を起こし光の渦へ呑み込まれて行った…。味方の軍艦も巻き込んでしまったが、戦闘は終息し第3軍宙域には軍艦とモビル・スーツの多数の残骸が漂った…。パワー中尉は、RGZ-99リガードを第3軍艦隊旗艦ラー・ゼブラの艦橋(ブリッジ)へ、横付けしてコクピットを開放しパイロットスーツの身体を流して、艦長のピエッタ中佐へ事の報告を伝えた。第3軍長メンヒィス中佐が戦闘ブリッジから這い上がりパワー中尉へ詰め寄り言いは成った「キサマ味方諸とも敵機を撃墜したのはどう言う性分だ!?軍法会議モノだぞ!!」と脅しと圧力を掛けて来た…つい先程まで戦闘ブリッジの奥で丸まって震えてた男とはとても思えずピエッタ艦長は、メンフィス軍長の暴言へ割って入りパワー中尉からの現象報告を受けて次の手立てを模索した。メンフィス艦長は「これで終わり?と言う事はあまりにも不自然過ぎる…。」と呟き…一呼吸し「引き続き第1種戦闘配備を維持しつつ各艦船に潜り込まれた敵は生け捕りにせよ!」と命令を下した!

艦長席に座る男がオペレーターへ荒声で呼び掛けると船橋(ブリッジ)から全船内へ放送が響く「野郎どもそろそろサイド3の領域へ侵入するノーマルスーツ着用だ!」ガンルームにいる男達はパイロットスーツを着用して、モビルスーツデッキへ身体を流す。彼等の眼光鋭く一癖も二癖もありそうだが艦長への忠誠心は高く見え動作は機敏で無駄がなく愛機のコクピットシートへ身体を収めると海兵隊仕様の各AMS-135クランケンハオスのメインジェネレータが起動し唸り声を上げた。偽装貨物船(ルクセンブルク)の船橋(ブリッジ)要員は、ノーマルスーツ着用後、既に戦闘ブリッジへ移行しオペレーターが侵入角度の計算を叩き出す。オペレーターが艦長に「修正7の位置から30度西へ!」と艦長へ振り向くと「そっちは戦闘地域だぞ!?全くオヤジは、歳を重ねても要望が変わらないね!」最後の方は投げた言い回しであったが暖かみがあった…。モビルスーツデッキから整備要員が各MS発進準備よしのコールサインを伝え船長席のデータパネルに表示される。艦長が発する「ミノフスキー粒子戦闘濃度散布、袖付きと合流し以後は作戦通りだ。命令に叛くなよ!」と念押ししてモビルスーツデッキからクランケンハオスが順次発進して1個小隊の部隊が急加速して闇へ消えた。船長席に座るフラスト・スコール大尉は、一線を退いたスベロア・ジンネマン元大尉からの機密情報に基づき海兵隊を編成して作戦を開始したのだった…。

中央気象局のデータリンクが作動せずコロニー内では珍しくやや強い雨が時折降る中、ズム・シティーの中心街から少し離れた位置に、ジオン・ズム・ダイクン公園がある。列席者は、次々とエレカで移動し遺族や参列者は徒歩で移動した。「ジオン戦没者慰霊墓苑」の式典は、ジオン共和国側からロベルト首相以下閣僚と地球連邦政府側からは、ゴールドマン大統領以下高官さらに地球連邦軍側からはコリニー・ジュニア地球連邦軍統合参謀本部議長以下幕僚等が参列して各報道機関が厳かに開催される中継を全域に送信していた。一人の幕僚が一番肩の星数が多い連邦軍将軍へ近づき耳元で囁く「提督、ネオ・ジオンが戦端を開いたそうです…現在、ロンド・ベルが目下交戦中と先程報告が上がりました。」と肩の星数は少し戸惑っい両手で杖を身体に支えながら、身震いして肩が震えたが顔は参列者の方向へ捉えたコリーニが冷静を装いながら早口で巻き上げた「月面軌道艦隊及びコロニー方面艦隊は、速やかに現宙域より後退させよ。参謀総長へ例の件を打電急げ!」と幕僚に命令しつつも既にジオン共和国側や連邦政府側へも報告は伝わり「ジオン戦没者追悼墓苑の式典内」で、一触即発の雰囲気を醸し出した。ロベルト首相は壇上でコロニー外での戦闘には一切触れず原稿を読み続ける…。式典参列者のジオン共和国軍民は情報統制下にある影響で騒ぎは起きないが、それでも自前の端末機が断片的にコロニー外での異変を伝えそれが伝線して隣へまた隣へとざわつき始める…。プレスセンターに詰めて居た一人の男のズボンのポケット内に端末機が揺れるのを感じて、すかさず端末機を取りだし、操作するとフリーランス仲間から生の情報が添付されていた。小声で「サイド3で戦争開戦!?」思わず口に含んだ珈琲を吹き出そうとしたカイ・シデンは、コロニー内の厳かな光景とメールのギャップに頭が混乱しつつも外に居るであろうブライト等ロンド・ベルへ想いを馳せた…。カイは、式典を見回すと明らかに参列者は理解して恐怖心は波の様に広がり共和国軍民は式典へ留まるべきではないと怯えている雰囲気を強く感じた。ゴールドマン大統領が報告を高官から受けると「ジオン共和国高官と接触して今後の対策を講じろ!」と指示を出した。バルルガイア副首相は演説中のロベルト首相に代わりジオン共和国として「ロベルト政権は、自治権返還に変わりない旨を連邦政府高官と接触する様」に指示した。三者の思惑は交錯して、ネオ・ジオン軍を中心に翻弄されて行く…。

宇宙世紀0100年(ゼロオーハンドレット)12月31日、ジオン共和国自治権返還式典当日も来るべき平和は今だ遠い(第1章・鼓動、完結)
Adroid携帯からの投稿
続きはまた後で(追伸、小説はアニメの続篇ではなく小説の続篇へ軸足を置いています。また、タイトルバックの編集者募集中)m(__)m

過激派 世界は美しくなんかない そしてそれ故に、美しい

本日もご訪問いただきましてありがとうございます。「憲法改正」を祈念し、ランキングのクリックをお願いいたします。 (政治部門'17/07/11:36位↓)
人気ブログランキング&bsp;&bsp; 本日、いよいよ「テロ等準備罪」が施行されました。 我々一般人にとって、より安心した社会生活が送れることは、何より歓迎すべきことです。 一方、テロ組織(暴力団、共産党、極左過激派等)にとっては、今日から眠れない日々が待ち受けています。&bsp; 冒頭のプラカードデザインは、昨年5月3日の憲法記念日に神奈川新聞で掲載されたものです。 以下、そのリンクを貼ります。&bsp;時代の正体・憲法特集http://www.kaaloco.jp/compay/release_20160503/&bsp; そこに掲載されたキーワード、「#萎縮しない」が今、「テロ等準備罪」に反対してきた連中の間で、お念仏のように唱えられているのです。&bsp;https://twitter.com/_tokoatsu/status/884429785941684224
夏@_tokoatsu
共謀罪なんかこわくない
#私は萎縮しない
&bsp;--------&bsp;https://twitter.com/public4f/status/884420159124807680
未来のための公共 @public4f
遂に明日、7/11より共謀罪が施行されます。しかしこの間の安倍政権の支持率の低下具合を見ても、明らかに共謀罪の活用に慎重にならざるを得ないような政治・社会状況がつくられています。カギは、萎縮しない人びとの行動です。私たちの自由を、私たち自身の自由の行使によって守りましょう。

--------&bsp;https://twitter.com/largokuramoto/status/884422108335398912
ウッディ @largokuramoto
返信先: @public4fさん
こんなもん(共謀罪)にビビッて皆が何も言わなくなれば、向こうの思うつぼ。民主主義の終わりを迎合することになります。
これまで通り、言うべきことは皆で堂々と言っていきましょう!
--------&bsp;https://twitter.com/patimakisepai/status/884539514542104576
関西100人のドラム隊?&bsp;@patimakisepai
共謀罪?知らんわそんなん
ドラムデモ@官邸前
#萎縮しない

--------

https://twitter.com/hirakawah/status/884415769332690945
Hideyuki Hirakawa?&bsp;@hirakawah 共謀できるのもあと45分か。
&bsp;#萎縮しない
#共謀罪廃止

--------
https://twitter.com/hideshirou2/status/884623151132364800
hide2001?&bsp;@hideshirou2
このままでは、僕は、近い将来【#平成の治安維持法】によって【#政治犯】として【#投獄】され【#獄中死】する【#可能性大】に、なってしまいました。それでも、僕は【#萎縮しない 】!!そうでないと【#死期】を迎えた時、後悔するから。
 #共謀罪
 #テロ等準備罪&bsp;
 #リベラル左派

--------

https://twitter.com/heygyzep/status/884588477924261888
サッカーボーイ?&bsp;@heygyzep
〈あいまいな計画や危険性が極めて低い準備行為まで処罰の対象となるなら、憲法の精神に反する疑いも出てくる。そのような危うさを覚える〉
#萎縮しない&bsp;
#共謀罪は平成の治安維持法&bsp;
#共謀罪こそテロそのもの&bsp;
#独裁政権を倒せ

--------&bsp;
https://twitter.com/tetsuyasakai/status/884596267484979200
Tetsuya Sakai (酒井哲也)?&bsp;@tetsuyasakai
#共謀罪施行

本日より、安倍晋三氏のことを偉大なる将軍様と呼ぶことにします。

偉大なる将軍様ヤメロ

#萎縮しない&bsp;--------
人気ブログランキング

 「#萎縮しない」と叫びながら、皆思いっきりビビッているのが笑えます。 ところが連中は、「共謀罪」、「共謀罪」と言いながら、そもそも法律の適用対象をほとんど理解していないのです。 例えば、「グリーンピ-スジャパン」のデモがその典型です。&bsp;まばたきも できない 共謀罪共謀罪 できない しゃべれない冗談も言えない 共謀罪&bsp;--------&bsp; ちなみに、「グリーンピースジャパン」は、「のりこえねっと」とも関係が深い団体です。 ここで改めて、「テロ等準備罪」の適用対象ついて、簡単におさらいしてみましょう。 以下、NHKニュースから引用します。&bsp;「テロ等準備罪」新設法 施行
http://www3.hk.or.jp/ews/html/20170711/k10011053141000.html

(中略)
実際に適用される事例は
「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法律は、暴力団や振り込め詐欺グループが関係する事件などで適用されるものと見られます。

法律の対象犯罪は277に上り、政府はこれらを「テロの実行」、「薬物」、「その他資金源」など5つの類型に分けています。このうち「テロの実行」に関するものは、組織的な殺人や、放火、ハイジャックなどです。

また「薬物」に関するものは、覚醒剤や大麻の輸出入や譲渡など、「その他資金源」に関するものは、特殊詐欺などの組織的な詐欺や、犯罪で得た収益の隠匿などがあります。いずれもテロ組織や暴力団、振り込め詐欺集団などの関与が現実的に想定されるものだとしています。(以下略)&bsp;------

 このように、法案に反対するデモ要員が何らかの罪に問われることはありません。 これからも、勝手にドンガラやっていればいい。 しかし、自分たちの妄想を一般人に振りまいて、不安に陥れることだけはやめていただきたいものです。&bsp; 確かに、「テロ等準備罪」の施行は、パヨクにとって相当大きなプレッシャーになったことは間違いありません。 今後そのプレッシャーに耐えかねて、本当にテロを起こす連中が現れる可能性も否定できません。 例えば、この方のように・・・。

https://twitter.com/PatriotforEarth/status/884434482400436224
Patriot for Earth?&bsp;@PatriotforEarth
夜が明けたら警察に通報しよっと…、
このテロリストをw

#改正組織犯罪処罰法
#テロ等準備罪&bsp;菅野完@oiehoieてっぺんまわったそうだから、各位、テロの準備しようぜ。&bsp;最後までお読みいただきまして有難うございます。「憲法改正」を祈念し、ランキングのクリックをお願いします。
人気ブログランキング

関連記事
  • 過激派通販サーチ

    過激派チャンネル::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::軍隊は、国家最大の暴力団である::::::: ...

    2018/02/18

    過激派

  • 過激派特選情報館。

    ブックマーカーが選ぶ超イカした過激派20選&bsp;お薬に頼らない子育てを応援自然療法スクール主宰hooiro小林です^^&bsp;&bsp;5/20追記たくさ ...

    2018/02/17

    過激派